許可の区分

  1. 大臣許可と知事許可
    大臣許可・・・二以上の都道府県の区域内に営業所を設けて営業しようとする場合
    知事許可・・・一の都道府県の区域内のみに営業所を設けて営業しようとする場合
  2. 一般建設業と特定建設業
    特定建設業・・・発注者から直接請け負った1件の工事代金について、4,000万円
            (建築一式工事の場合は6,000万円)以上となる下請負契約を締結
            する場合
    一般建設業・・・上記以外
  3. 業種別許可制
    建設業の許可は、建設工事の種類ごと(業種別)に行います。
    建設工事は、土木一式工事と建築一式工事の2つの一式工事のほか、27の専門工事の計29の種類に分類されており、この建設工事の種類ごとに許可を取得することとされています。
    実際に許可を取得するにあたっては、営業しようとする業種ごとに取得する必要がりあますが、同時に2つ以上の業種の許可を取得することもできますし、また、現在取得している許可業種とは別の業種について追加して取得することもできます。
  4. 許可の有効期間
    建設業の許可の有効期間は5年間です。
    このため、5年ごとに更新を受けなければ許可は失効します。


許可の要件

  1. 経営能力があること(経営業務の管理責任者がいること)
  2. 技術力があること(営業所ごとに専任の技術者がいること)
  3. 誠実であること(請負契約に関して不正又は不誠実な行為をするおそれがないこと)
  4. 財産的基礎又は金銭的信用があること
  5. 欠格要件(許可を受けられない者の要件。暴力団員、破産して復権を得ていない等)に該当しないこと

この5つの要件をすべて満たさなければならないし、この要件は許可を取得するときだけではなく許可を維持するための要件でもあります。

では、1の経営業務の管理責任者と2の専任の技術者と4の財産的基礎について少し詳しく見ていきましょう。



<経営業務の管理責任者について>

建設業の経営は他の産業の経営とは著しく異なった特徴を有しているため、適正な建設業の経営を維持するためには、建設業の経営業務について一定期間の経験を有した者が最低でも1人は必要であると判断されたことから求められています。

「経験」とは、営業取引上対外的に責任ある地位にあって、建設業の経営業務について総合的に管理した経験をいいます。
法人では常勤の役員等個人では事業主等の経験です。(必要経験年数は原則5年)

なお、令和2年改正建設業法の施行により、「建設業」の「経営経験」しか認められなかったものが、「他業種」の経験まで認められるようになり、さらに、建設業の「経営経験」しか認められなかったものが、建設業の「管理職経験」も認められるようになりました。
但し、他業種の経営経験者や建設業の管理職経験者に関しては、1人で1の「経営能力があること」という要件を満たすことはできず、併せて「役員を補助する者」の設置も必要になります。

即ち、組織として経営業務の管理を適切に行いうる能力が認められればいいということになります。



<専任技術者について>

建設工事に関する請負契約を適正に締結、履行を確保するためには、建設工事についての専門知識が必要になります。
見積、入札、請負契約締結等の建設業に関する営業は営業所で行われることから、営業所ごとに許可を受けようとする建設業に関して、一定の資格や経験を有する技術者を専任で配置することが求められています。

*一般建設業と特定建設業とでは要件が異なります(特定建設業の方が厳しくなります)。

(例)一般建設業許可の場合の専任技術者の資格要件

  • 学校卒業+一定期間の実務経験者
    1. 高卒(指定学科)+5年以上
    2. 大卒(指定学科)+3年以上
  • 10年以上の実務経験者
  • 国家資格者 

「実務経験」とは、建設工事の施工に関する技術上のすべての職務経験のことをいいますので、見習い中の者が技術の習得のために行う技術的な経験も含まれます。
他方、建設工事の現場に出入りしていても、現場の単なる雑務を行っていた経験や事務作業の経験は技術上の経験とはいえず実務経験に含まれません。



<財産的基礎について>

建設工事を着手するにあたっては、資材の購入及び労働者の確保、機械器具等の購入など、一定の準備資金が必要になります。また、営業活動を行うにあたってもある程度の資金を確保していることが必要です。

このため、建設業の許可が必要となる規模の工事を請け負うことができるだけの財産的基礎等を有していることが求められています。 *一般建設業と特定建設業とでは要件が異なります(特定建設業の方が厳しくなります)。

・一般建設業許可の場合
次のいずれかに該当すること
①自己資本が500万円以上であること
②500万円以上の資金調達能力を有すること
③許可申請直前の過去5年間許可を受けて継続して営業した実績を有すること



上記の5つの要件を満たしていることが確認できたら、いよいよ申請です。

※以下では福岡県の場合における一般建設業許可(新規・知事許可)について説明します。

都道府県によってルール(写しが何枚必要か、添付書類に何が必要か等)が異なる場合があります。詳細は各自治体へお問い合わせください。



建設業許可申請の手続き(新規・知事許可)

  1. 福岡県のホームページのチェックリスト
    132321.pdf (fukuoka.lg.jp))で提出書類及び添付書類を確認する。
  2. 福岡県のホームページの建設業許可申請書様式
    建設業許可申請書の入手方法、提出書類一覧及び提出場所について – 福岡県庁ホームページ (fukuoka.lg.jp))から必要な様式をダウンロードして記入する。
  3. 必要な申請書類を添付書類とともに主たる事業所の所在地を管轄する県土整備事務所に提出する。

※書類を提出してから約60日で許可がなされます。
※建設業の許可の有効期間は5年間です。このため、5年ごとに更新を受けなければ許可は失効します。
更新の申請は従前の許可の有効期間が満了する30日前までに行うことが必要です。
更新の申請の手続きについては上記、建設業許可申請の手続き(新規・知事許可)に準じて行います。


※商号又は名称、営業所の名称及び住所地等の事項を変更したときは、変更届を提出しなければなりません。(変更内容によって変更届の提出期限が異なります)



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